機械加工

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軸傾斜横切り盤(5)を使って、製材した角材を仕上がりの寸法にカットします。
刃の角度は45度まで任意に傾けることができるので、角度のついたカットもできます。
また、板の幅を決めたり、切り込みを入れたりと1台で何役もこなします。
テーブルの天板などの大きい板は2人がかりでカットすることもあります。LBの工房では1番大きな機械です。
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テーブルの脚や椅子などはホゾ組みという技法で組んでいます。
その接合部には雄側と雌側があり、それぞれをホゾ、ホゾ穴と呼びます。
写真は”しらがき”という刃物で部材にホゾ穴の位置の線をつけているところです。木工ではこの線を墨と言い、この線を引く作業を墨付けと言います。このように、ナイフや刃物で加工の目印となる線を引く事で、鉛筆よりも細く正確な線を、より正確な位置に刻むことができます。
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角のみ盤(6)は四角い穴を掘ることができる機械です。主にホゾ穴を掘る時に使います。
ドリルとノミが合体したような四角い箱状の専用の刃をつけて使用します。
ホゾとホゾ穴の精度が家具の強度に大きく影響するので正確に掘ることが重要です。
写真は墨を目印にホゾ穴を掘っているところです。
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ホゾ穴に対してぴったりはまるホゾをつくります。
ホゾ取り盤(7)は調整がとてもシビアですが、一度セットしてしまえばホゾの長さと厚みを同時に加工できる機械です。
同じ形のホゾを量産する場合には大変活躍します。
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写真のホゾ取り機は昇降盤(4)の一部です。これもまたホゾを作る時に使います。
ホゾは、長さをホゾ穴の深さよりわずかに短く、厚みをぴったりに、高さを+0.1mm前後に加工します。
ホゾとホゾ穴の関係はキツすぎると組む時に部材が割れてしまい、ユルすぎると強度が落ちるので、どちらも正確につくることが求められます。
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ほとんどの機械加工が終わり、仕上げの手鉋をかける前段階として超仕上げ鉋盤(8)を使います。
機械式の大型の鉋のようなもので、手鉋では不可能な幅広い鉋くずも出せます。

機械は「切る」「削る」という単純なものばかりですが、それらに、それぞれの加工にあった治具などを用いることで、複雑な形を作ることもできます。
精度よく、効率的な製作をしていくために、機械でできる作業は可能な限り機械を使います。
機械ではできない加工は手加工で進めます。